それでもキミと、愛にならない恋をしたい

 * * *

 十二月に入り、外の空気が肌を刺す冷たさを帯びてきた。

 中間テストに続き期末テストも楓先輩から勉強を教えてもらったため、対策はバッチリだった。

 前回のように四人で勉強してもよかったけれど、学校中の注目を浴びるふたりと一緒にいると目立ちそうで、今回は別々にすることにした。

 テストが終わった翌日、いつもなら弓道部の朝練の時間に先輩からメッセージが届いていた。

【おはよう。昨日言い忘れたんだけど、今日は学校休む。ごめん、一緒に帰れない】

 どうしたんだろう。もしかして具合が悪いのかな? 昨日一緒に帰った時は、そんな感じはしなかったけど。

 体調を尋ねた返信は既読にならないまま、四時間目の授業が終わってしまった。

 私は京ちゃんとお弁当を食べるために中庭へ向かいながら、もう一度スマホをチェックしたけれど、やはり返事はない。

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