それでもキミと、愛にならない恋をしたい

 だけど、この手紙を読んでいるということは、菜々は今、恋をしているんだよね。お母さんのことで悲しい思いをさせちゃったけど、立ち直って、学校へ行って、恋をして。そういう楽しい学生時代を送ってほしいなと思っているから、すごく嬉しい。

 片思いかな? もうお付き合いをしてるのかな? 悪い男の子に引っかかってない? 私と洋ちゃんの娘がモテないはずないから、少し心配です。(笑)

 青春を満喫してくれているといいな。そういう話を、菜々としてみたかった。

 クラスの誰がイケメンとか、ひとつ上の先輩がモテるとか、そういうのを娘と話すの、菜々がお腹にいるときからの夢だったの。

 だから、たくさん聞かせてね。聞くことしかできないけど、いつだって菜々の味方です。

 さて。どうしてこの手紙を渡すタイミングを指定したかというと、洋ちゃんの再婚について話をしたいと思ったからです。恋をするという意味を知った菜々に聞いてほしかったの。

 結論から書くと、私は洋ちゃんの再婚に賛成です。

< 232 / 272 >

この作品をシェア

pagetop