それでもキミと、愛にならない恋をしたい

 スクールカウンセラーになるにはどうしたらいいのか、どんな資格が必要なのか。お父さんはネットや本屋などで情報を集め、民間の資格講座の資料なども取り寄せてくれた。

 心理学を学びながら養護教諭の資格を取れる学科がある大学に行くのが良さそうだったから、これから色んな大学を調べてみようと思っているところだ。

「いいなー、娘の夢に理解のあるお父さん。それにしても真央さん、めちゃくちゃ綺麗な人だね」

 本来なら三者面談にはお父さんが来る予定だったけど、前日になりどうしても仕事の都合がつかなくなったので、急遽真央さんが来てくれることになった。京ちゃんはその時に私と一緒にいる真央さんを見かけたらしい。

 私はやっぱり真央さんを〝新しいお母さん〟とは思えない。だから呼び方は変わらないままだ。彼女はお父さんの奥さんであって、私にとって〝お母さん〟はお母さんだけ。お父さんも真央さんもその考えを受け入れてくれている。

 それに〝親〟じゃないからこそ話せることもある。私にとって真央さんは、頼りになる姉のような存在となった。

「そうなの。あの見た目で性格もいいし、お料理も上手なんだよ。ハイスペックすぎるよね」

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