それでもキミと、愛にならない恋をしたい

両手を当てた頬はほんのり赤くなっていて、京ちゃんが照れながらも本心を伝えてくれたのだとわかる。

そっか。私が自分に自信がないと、私を好きでいてくれる人を悲しくさせちゃうんだ。

京ちゃんが言ってくれたみたいに、自分を優しくて可愛いだなんて思えない。

それでも、京ちゃんがそう思ってくれるなら、私はそういう自分になれるように頑張りたい。

美人で、優しくて、可愛くて、京ちゃんと親友なのを自慢したいのは私の方。思わずぎゅうっと抱きつきにいく。

「ありがとう、京ちゃん」
「ふふ、なんか照れるね」
「うん。でも嬉しい」
「ねぇ、菜々。もうひとつ聞きたいことがあるんだけど、いい?」
「あっ、テスト勉強のことだよね?」

抱きついていた腕を緩めて京ちゃんを見上げると、ぐっと顔が近づいてきた。

美人はどれだけ近くで見ても美人だな、なんて感心していると。

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