それでもキミと、愛にならない恋をしたい
第三章

「締め切りは十月二十日だぞー。保護者に必ず記入してもらって提出するようになー。それから今日からテスト週間ってことで、職員室や教科準備室への立ち入りは禁止なるから気をつけて。どうしても用事がある場合は、近くの先生を呼んで対応してもらえよー」

 担任の橋本先生の緩い声でSHRが終わり、教室内がガヤガヤと騒がしくなる。

「菜々ちゃん、次のバスケの練習、テスト明けの月曜日からでいいかな?」

 前の席に座る美穂ちゃんが振り向いて尋ねてきた。

「うん。大丈夫」
「オッケー! みんなにも伝えるね」
「美穂ちゃんが教えてくれたおかげで、みんなかなりうまくなったよね。きっと一位狙えるよ」
「うん、やる気あるチームでよかったよね。身長高い京香ちゃんが抜けたのは痛いけど、りっちゃん足速いしね。あー、早く試合したい!」
「その前にテストだね」
「うへー、聞きたくないー」

 あれだけ球技大会に燃えているのに、テストはまるでやる気のなさそうな美穂ちゃんが可笑しい。

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