それでもキミと、愛にならない恋をしたい
第四章
雲ひとつない晴天。眩しいほどの秋晴れの中、私は駅の改札口で楓先輩を待っていた。
同じ高校に通っているとはいえ、私と先輩では自宅の最寄駅の路線が違うため、合流地点であるターミナル駅で待ち合わせをすることにしたのだ。
待ち合わせの時刻まであと十五分。緊張でそわそわと落ち着かず、鼓動がどんどん速まっていく。
日曜日の朝九時十五分。平日の登校時間とは違い、サラリーマンや制服姿の学生などはほぼいない。
地元の駅とは違い、たくさんの人が行き交っているけれど、ひとりの人も連れ立って歩いている人も、この駅にいる誰も彼もが都会的で洗練されているように見えた。
私は自分を見下ろし、今日の服装を改めてチェックする。
ビックカラーの白いブラウスに、今日のために買った形の綺麗な膝上の台形スカートを合わせた。ブラウンのチェック柄が秋らしく、少し短いけれど中がパンツになっているので安心感がある。
上に羽織ったオフホワイトのカーディガンはショート丈で袖にボリュームがあるタイプで、これを着るだけで可愛い雰囲気になるからお気に入りの一着。