ウソの魔法に、君とかかる (短)

――雫ちゃんなら絶対に大丈夫だって! 今日、黒瀬くんとウワサになった時も、なんだか嫉妬してるような目で、雫ちゃんの事を見てたもん!



あの言葉が嬉しくて、あの言葉を信じてみたくて。

私は「絶対大丈夫」っていう根拠のない自信を持っちゃって……告白しちゃった。

本当は、花崎くんが私のことを好きなんて。そんな事、あるわけないのに。


そう言えば……


恭子ちゃんは、どこに行ったんだろう?



「きょ、恭子、ちゃん……っ」



まだ女子グループに見られ、クスクス笑われている事が、こわくて。

さっきまで私のそばにいた恭子ちゃんを思い出し、助けを求めようとした。


だけど――



「やだ、雫ちゃんったら。あんな言葉を信じちゃったの?」

「え……」


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