ウソの魔法に、君とかかる (短)
私の隣にいると思った恭子ちゃんは、もう隣にはいなくて。
気付けば、女子グループの一番前にいて。私をバカにしたような目をして、笑っていた。
「きょ、うこちゃん……?」
「雫ちゃん、本当に面白い~。あんなウソに、コロッと騙されちゃってさぁ」
「やっぱり、ウソ……だったんだ……っ」
「えーまさか、今さら気づいたの? って事は、一度は信じちゃったわけ?”花崎くんが自分の事を好きかもしれない”って」
恭子ちゃんが言うと、女子グループはどっと笑った。「お腹いたーい!」とか「バカじゃん!」とか。
しまいには恭子ちゃんまでも、腕を組んで背中を丸めながら笑ってる。
まるで、面白すぎて、お腹を抱えて笑ってるかのように。