ウソの魔法に、君とかかる (短)
「こ、これも、ウソでしょ?」
「ん?」
「もう全部、ウソなんでしょ……っ?」
「……」
さっき恭子ちゃんに裏切られたみたいに。また私は、甘い言葉に騙されてるんだよね?
そして、また皆で笑うんでしょ? 見世物みたいにして。
そうやって私をいじめるんだよね?
「もう、イヤだよ……っ」
「……分かった」
ポロポロと。涙を流して、黒瀬くんから離れる。
こんな所にいたって、状況は悪化するだけ。私の傷は深くなるだけ。
それなら、私も花崎くんのように、帰ってしまえばいいんだ。
全てから、逃げればいいんだ――
そう思って、黒瀬くんから離れて教室に行こうとする。いや、行こうとした。
だけど、