ウソの魔法に、君とかかる (短)
そんな私に声をかけてくれたのが、日比谷 恭子(ひびや きょうこ)ちゃん。
クラスの女子から人気な、とってもかわいい女の子なんだよ。
消極的な私のことを「手伝ってあげる」、なんて……恭子ちゃん、優しいな。
恭子ちゃんが女子から人気があるの、とっても分かる!
恭子ちゃんに優しくしてもらえた事が嬉しくて。
その日から、私は少しずつ、恭子ちゃんと話をするようになった。
「きょ、恭子ちゃん! おはよう!」
「あれ? 雫ちゃん! おはよう~初めて挨拶してくれたね、ありがとうッ」
「(わぁ……っ)」
恭子ちゃんは、とにかく可愛い女の子。
薄茶色の髪は、少しだけウェーブがかっていて。そして大きなクリクリとした目が印象的。
だけど、可愛いのは見た目じゃなくて……優しいから、どんな子にも平等に接してくれるの。
まだクラスで友達を作れてなかった、こんな私にまで。