ウソの魔法に、君とかかる (短)
深いため息つかれた!
私……何かまちがったことを言っちゃった!?
だけど、心配する私をスルーして。
黒瀬くんは「ま、いーや」とニッと笑う。
「日比谷たちは、俺と暮石が付き合う事に、すごく反対してた。
だから、そこを利用する」
「つ、つまり?」
「俺たちは”付き合ってるフリ”をする。
今から、ウソの彼氏彼女だ」
「!」
サアアァ――
髪の毛が、また私の前でゆれる。
「どうする?暮石。
暮石がイヤだっていうなら、やらない」
「わ、私は……」
思い出すのは、恭子ちゃんや怖い女子グループ。
あの人たちの笑い声が、私をどんどん追い詰める。
だけど……