ウソの魔法に、君とかかる (短)
ドキドキの始まり
次の日の朝。
目を開けると、体がすごく重いことに気付く。
オデコに手をあてるも……熱はなさそう。
という事は、気持ちの問題かな。
恭子ちゃん達にイジメられる日。
黒瀬くんと、付き合ってるフリをする日。
いろんなことが一気にスタートする今日が……怖い。
「学校……行きたくないな」
ポツリと出た言葉は、誰もいない部屋に消えていく。
黒瀬くんが協力してくれるって言ってくれたのに……私、ダメダメじゃん。
「黒瀬くんに悪いし、頑張って学校いかなきゃ……っ」
そうしてベッドから降りた、その時だった。
コンコンと、ドアをノックする音が聞こえる。
「雫、お家の前に男の子がいるんだけど、友達?」
「……へ?」