ウソの魔法に、君とかかる (短)
「恭子ちゃん~、ちょっとこっち来てー」
「はーい、今いくよー! じゃあ、またね。雫ちゃん!」
「あ、うんッ。また!」
女子のグループに呼ばれて、恭子ちゃんは私から離れて行った。
そして、さりげなくグループの輪に入り、ニコニコ笑っている。うん、やっぱり。恭子ちゃんは、とってもかわいい。
「でも、あのグループって……」
いま、恭子ちゃんが呼ばれたグループは……噂話が大好きで、あることないこと言いふらしちゃうって悪い噂で有名なグループ。
目をつけられたら、いじめられちゃうかも……って、クラスの誰かが言ってた。そして大の花崎くんのファン。
花崎くんに近づく女子がいようもんなら、すごい怖い顔をして睨んでるって噂。そういうのもあって、花崎くんに近づけないんだよね……。
そんなグループと一緒にいて……。
大丈夫なのかな? 恭子ちゃん。