ウソの魔法に、君とかかる (短)
気付けば私は、黒瀬くんに抱きしめられていた。
もちろん、クラス皆の注目の的になる。
「キャー!」と、目をハートにして喜ぶ女子達。
「あぁすれば良かったんだな」と何やらメモをとる男子たち。
極めつけは――
「俺も、好きなんだけど」
「へ?」
「暮石のこと」
「……え⁉」
黒瀬くんからの、衝撃的な発言……いや、告白。
「わ、私のこと……好きって言った?」
「うん」
「う、ウソじゃ、」
「……」
すると黒瀬くんは、私を抱きしめる腕に力をこめる……ん?
力をこめすぎじゃないかな? 痛いよ、黒瀬くん!
ギギギ……
「く、黒瀬くん、お花畑が……!」
すると、ポスッと。
黒瀬くんは私の首に、顔をうめた。
首にふれる黒瀬くんは、すごく温かくて……見ると、黒瀬くんの耳も首も頬も、ぜんぶ真っ赤。
「黒瀬くん、熱でもあるんじゃ、」
「……暮石のことで頭いっぱいで、クラスの奴らいるの忘れて告白しちまった……。
俺、もう顔あげられねー……」
「!」