ウソの魔法に、君とかかる (短)
その時、チラリと花崎くんを見ると、私と黒瀬くんを交互に見ていた。
あぁ……。
男子が大きな声で話すから、皆に聞こえちゃったんだ!
「もう! 冗談いわないで……!」
「嫌がるのも好きのうち、って言うよな~」
「むむ……っ」
何を言っても「好きだから、そんな反応するんだ」と返されたら、もう何も言えないじゃん!
男子を止めることが出来ない私は、クラスの皆に注目されている事が恥ずかしくて、顔を下げるしか出来なかった。
あぁ、もう。
早く授業、始まらないかな……っ。
その時だった。
「こら、やりすぎ」
「いて、黒瀬! おいコラ、手加減しろって!」
見ると、黒瀬くんが男子の頭の上から、グーでグリグリとゲンコツをいれていた。
男子はわりと痛がっていて……なんか見てる私まで、頭がヒリヒリしてきたっ。