秘密のメッセージを送った相手はスーパーアイドルでした。
「……あれ?」
ぽたり、とスマホの画面に雫が落ちた。
気づいたらいつの間にか泣いていた。
「Hina」という誰かが綴った言葉と、美しい空模様を映し出した写真に感動して涙が溢れていた。
気づいたら片っ端から「Hina」の投稿を見ていた。
時間が経つのも忘れて、この人の世界観に夢中になっていた。
「Hina」は誰もフォローしてないし、誰にもフォローされていない。
ただひとりごとのように呟かれているだけ。
こんなに素敵な世界観を持っているのに、誰にも見つかっていないなんて。
私はこんなにも心を動かされて、励まされたのに。
震える指で「フォロー」ボタンをタップした。
ただそれだけのことになんでこんなに緊張してしまうのだろう。
この日から「Hina」のファンになった。
ただ遠くからそっと見ているだけでいい。
繋がりたいなんて思わない。
私の心を軽くして包み込んでくれた言葉に、もっと触れさせて欲しいと思った。
ただただ拠り所にさせて欲しかった。