秘密のメッセージを送った相手はスーパーアイドルでした。




「……何あれ。急に色気付いて生意気じゃない?」

「…………」


 浮かれていた私は、一部からは反感を買っていたことに全く気づいていなかった。


* * *


 クラスの子に話しかけてもらえただけで、ものすごく嬉しかった。

 よかった、これなら私も星夜くんのファンだって胸が張れるかもしれない。

 星夜くんといえば、スピカ姫の一巻はちゃんと持ってきていた。袋に入れて、一応メッセージカードを添えてある。

 名前を書いておかないと、誰からかわからないもんね。
 星夜くん、読んでくれるといいな――。

 放課後誰もいないのを見計らって、星夜くんの下駄箱の中に入れようと思っていた。
 ここで見られたら終わり!そんな風に自分に言い聞かせ、絶対に見つからないようにと気を引き締める。

 星夜くんにも迷惑がかかっちゃうかもしれないし、気をつけないと。

 そうして気合いを入れていた放課後、帰る前にお手洗いに寄った。
 ここでトイレに行ったこと、私はとても後悔している。


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