秘密のメッセージを送った相手はスーパーアイドルでした。


「その本だけど」

「あっこれ!?この子が星夜くんに貸そうとしてたみたいだけど、星夜くんはこんなもの興味ないでしょう?
星夜くんのこと何も知らないみたいだから、教えてあげてたの〜」


 悪びれる様子もなく、きらりが言うと他の子たちも話を合わせる。



「そうそう!先輩ファンとして教えてあげてたんだよね!」
「星夜くん忙しいんだから、迷惑になるよって……」


 もうやめて。

 星夜くんの前でこれ以上は……もうやめてよ……っ!!



「その本は俺から読みたいって言ったんだよ」

「えっ……」

「だから天川さんは約束を守って持ってきてくれただけ」

「……あ、そうなんだ」


 星夜くんの言葉は予想外だったのか、きらりは明らかに動揺していた。


「――立てる?」


 星夜くんは私に向かって優しく手を差し伸べてくれた。


「……っ、ありがとう……」


 一瞬手を取ってもいいのか躊躇したけど、恐る恐る手を取ったら優しく立ち上がらせてくれた。

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