秘密のメッセージを送った相手はスーパーアイドルでした。


「その本、返してくれる?」

「あ、はい……」


 きらりはスピカ姫の本を星夜くんに差し出す。
 見たこともないくらいバツが悪そうな表情をしていた。


「君たち、俺のファンなんだよね?いつも応援してくれてありがとう」

「……!星夜くん……!」

「でも、こういうことは二度とやめてね」


 星夜くん――……。


「……っ、彗ちゃんだけ特別扱いするの!?私たちだって星夜くんのファンなのに!」

「ファンじゃなくて、友達だよ」


 え……っ!?
 せ、星夜くん!?


「だから本を借りる約束をしただけ。――ねっ、彗」

「……っ!!」


 急に名前を呼ばれてドキッとした。

 とっくに涙は引っ込んじゃってるし、何が起きてるのか頭の理解が追いついてない。


「じゃあ彗、行こっか」

「えっ!?」


 急に腕を引っ張られ、星夜くんはその場から連れ出してくれた。

 ポカーンとしてるきらりたちに構うことなく、そのままグイグイ引っ張られる。


「せ、星夜くん……っ」


 一体何が起きてるの――!?


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