秘密のメッセージを送った相手はスーパーアイドルでした。


 そう微笑んだら、星夜くんはポカンとしていた。

 ……あれ!?
 もしかして私、かなり恥ずかしいこと言っちゃった!?


「ご、ごめんなさいっ!変なこと言ってっ」


 消え入りたいほど恥ずかしい……。

 どうしよう、引かれたかな……?
 気持ち悪いって思われたらどうしよう……。


「ありがとう。楽しみに読むよ」


 星夜くんは優しく微笑んでくれた。


「……っ」


 本当に、王子様みたいな人ってこの世にいるんだなぁと思った。

 私みたいな人間にもこうして笑いかけてくれるんだ。

 私なんかに応援されても嬉しくないだろうけど、ファンになっちゃいそう――。

 きっとこんな風に星夜くんとお話できることなんて二度とない。
 返却の時にまた会えたらいいな、とは思うけど運良く私が当番の日に来てくれるとは限らないし。

 今日という貴重な日に感謝しよう。


「……あ、きらりのこと断ったのに星夜くんと会っちゃった」


 これは不可抗力みたいなものだけど、ちょっぴり罪悪感。

 きらりに話した方がいいのかな?
 でも勝手に星夜くんのこと話すのは気が引ける気もするな……。


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