聖騎士さまに、愛のない婚姻を捧げられています!
遠慮がちに重ねられた唇が、互いの熱で赤く染まってゆく。
(セヴィリス様の唇、柔らかい、とっても、なんだか、気持ちいい……)
甘い感触に、リリシアのふわふわした感覚はさらに大きくなる。初夜という言葉に、この先に待ち構えることを思い出して緊張していた身体のどこか奥の方でなにかが疼く。
「……好きだ。いとしくて、たまらない。リリシア」
「セヴィリスさま……っ……っぅ」
だんだんと深まる口づけに、二人は夢中になって抱き合い、寝台へと重なりながら倒れ込んだ。
セヴィリスはひだのあるシャツを脱ぎ捨て、リリシアに口づけながら彼女の胸のリボンをほどきにかかる。
「わ、私は、女性の身体にあまり詳しくなくて……、叔父上の講義もおざなりにしか聞いていなかったから、もし痛かったり、嫌だったらすぐに教えてほしい。も、もちろん、優しく、あなたを喜ばせるようにするけど」
「は、はい……っ……、え、……よ、よろ、こばせる?」