毒舌オオカミ秘書は赤ずきんちゃんを口説きたい
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待ち合わせのホテルに着くと、結人さんは昨日と同じ席に腰掛けていた。
私を見付け、軽く手を上げる。
「お待たせしてすいません」
「いや時間通りです、早いくらいじゃないかな?」
私の椅子を引き、エスコートしてくれた。
「結人さんはいつから?」
おずおず着席しながら尋ねると、彼は背後から囁く。
「そうですねぇ。夢の中でもお待ちしていましたので、あれからずっとですよ」
「ーーっ、なっ!」
「なんちゃって、ふふ。遥さんがいらしてくれて嬉しかったので、つい悪戯してしまいました。すいません」
頬にかかった甘い言葉に跳ねる私、それをニコニコ眺める結人さん。
彼も席に戻り、ちっとも悪びれる様子もなくカップを傾けた。一連の所作が流れるように美しい。
「それはそうと今日はオシャレをしてきてくれたのですね? とても素敵です」
「あ、あの、オシャレというか」
「スーツですね。それもビジネス用の」
「流石に昨日みたいなパーカーとジーンズでは来れなくて。失礼のない服装がこれしか思い当たらず……駄目だったでしょうか?」
「スーツはよくお似合いですよ。私が面接官ならば即採用します。しかし、デートにビジネススーツは少々話が違ってくるかと」
待ち合わせのホテルに着くと、結人さんは昨日と同じ席に腰掛けていた。
私を見付け、軽く手を上げる。
「お待たせしてすいません」
「いや時間通りです、早いくらいじゃないかな?」
私の椅子を引き、エスコートしてくれた。
「結人さんはいつから?」
おずおず着席しながら尋ねると、彼は背後から囁く。
「そうですねぇ。夢の中でもお待ちしていましたので、あれからずっとですよ」
「ーーっ、なっ!」
「なんちゃって、ふふ。遥さんがいらしてくれて嬉しかったので、つい悪戯してしまいました。すいません」
頬にかかった甘い言葉に跳ねる私、それをニコニコ眺める結人さん。
彼も席に戻り、ちっとも悪びれる様子もなくカップを傾けた。一連の所作が流れるように美しい。
「それはそうと今日はオシャレをしてきてくれたのですね? とても素敵です」
「あ、あの、オシャレというか」
「スーツですね。それもビジネス用の」
「流石に昨日みたいなパーカーとジーンズでは来れなくて。失礼のない服装がこれしか思い当たらず……駄目だったでしょうか?」
「スーツはよくお似合いですよ。私が面接官ならば即採用します。しかし、デートにビジネススーツは少々話が違ってくるかと」