Sweet silent night
11.好きなうたあるかな?
「どうしたの?」
「あ、星野さん。実は雪うさぎケーキが売り切れちゃって。充分準備はしてたんだけど」
「雪うさぎケーキ?」
「うちの店の冬季限定の看板商品。生クリームでデコレーションした丸いケーキに、アンゼリカの耳とチェリーの目がついてるんだ」
ほら、と月城くんがメニュー写真を見せてくれた。
うわぁ、かわいい! この子だけじゃなく、あたしもこのケーキ食べたいくらいだよ。
「ほら、マリカ。ほかのケーキだったら買ってあげるから」
マリカちゃんのとなりで、お母さんが困った顔を浮かべてる。
だけど女の子はかたくなに、
「やだ~、うさちゃんがいい~!」
と、聞く耳をもたないみたい。
月城くんもお母さんも困ってる。
どうしよう。
こんなとき、なにかあたしにできることないかな?
うーん……そうだ!
悩んでいた心にパーッ、と陽が差した。
「ねぇ、マリカちゃん。マリカちゃんの好きなうたってなあに?」
「好きなうた?」
ピタッ、とマリカちゃんの涙が止まった。
「そう。うさちゃんのケーキは出せないけど、好きなうただったら聴かせてあげられるから!」
「あ、星野さん。実は雪うさぎケーキが売り切れちゃって。充分準備はしてたんだけど」
「雪うさぎケーキ?」
「うちの店の冬季限定の看板商品。生クリームでデコレーションした丸いケーキに、アンゼリカの耳とチェリーの目がついてるんだ」
ほら、と月城くんがメニュー写真を見せてくれた。
うわぁ、かわいい! この子だけじゃなく、あたしもこのケーキ食べたいくらいだよ。
「ほら、マリカ。ほかのケーキだったら買ってあげるから」
マリカちゃんのとなりで、お母さんが困った顔を浮かべてる。
だけど女の子はかたくなに、
「やだ~、うさちゃんがいい~!」
と、聞く耳をもたないみたい。
月城くんもお母さんも困ってる。
どうしよう。
こんなとき、なにかあたしにできることないかな?
うーん……そうだ!
悩んでいた心にパーッ、と陽が差した。
「ねぇ、マリカちゃん。マリカちゃんの好きなうたってなあに?」
「好きなうた?」
ピタッ、とマリカちゃんの涙が止まった。
「そう。うさちゃんのケーキは出せないけど、好きなうただったら聴かせてあげられるから!」