二人の歩幅が揃うまで
「可愛いのは綾乃ちゃんだよ。」
「わっ…!」
グラスを置いたのを見た健人は、そのまま綾乃に抱きついた。勢いがあったのと、思っていたより力強かったのもあり、綾乃はそのままベッドに倒れこむ。タオルケットがずれて、綾乃の肌が露になった。綾乃の肌に触れる健人の手は、衣類があるときよりもずっと優しい。まるで薄いガラスに触れるかのような手つきだった。
「…私、そんな簡単に壊れちゃわないから大丈夫だよ。」
「え?」
「何も着てなくてもね、ちゃんと頑丈だよ。」
綾乃は一度大きく手を広げて、健人を強く抱きしめる。
「結構力だってあるし、ね?」
綾乃の背中に回った手が、少しずつ力を込めてくる。少しずつ体温が近付いて、健人の吐息が綾乃の耳元で聞こえた。
「…今日も、もうちょっと綾乃ちゃんといちゃいちゃしたいけど。」
「うん。」
「今日だけじゃなくて…。」
「うん。」
「時々でいいから、ずっとずっと構って。」
すりすりと綾乃の肩に額を寄せてねだる姿が可愛くて、綾乃は自分の頭の中でじたばたした。
(…破壊力!可愛すぎる!なにこれなにこれ!ずっと確かに可愛かったけど、可愛さに上限がない~!?)
健人の可愛さに悶えている綾乃の視界が、健人でいっぱいになった。触れては離れるキスに、また少しずつ体温が上がっていく。
「綾乃ちゃん。」
「な…に…?」
「ちょっとだけ、口開けて?いつもと違うキスも、いっぱい練習したい。」
「…さっきまで可愛かったのに…。」
「え?」
子犬のように可愛かった健人は、いつの間にかちゃんと『男の人』の顔になっていた。二人の間に、少し上がった息が落ちる。
「…いきなり可愛くなくなった。」
「…口開けるの、嫌?」
「じゃなくて、さっきまで可愛かったのにもうちゃんと男の人になってるのずるい~!」
「…元々男だけど、…そりゃ、男になっちゃうよ。だって綾乃ちゃんがずっと可愛いんだもん。」
少し口が開いていた隙をつかれて、健人の舌が綾乃の口の中に侵入した。
「ん…。」
吐息が漏れ、さっきとは少し違う甘さが広がる。探るように動く舌に翻弄されて、少しずつ視界がぼんやりする。綾乃が少し苦しいと思ったタイミングで唇がそっと離れる。
「苦しかった?ごめんね?」
綾乃の頭を優しく撫でながら、綾乃の呼吸が落ち着くのを待ってくれている。いつの間にか目が潤んでいることの気付いた綾乃は、瞬きを繰り返すことで涙をやり過ごした。
「目、うるうるで可愛い。…綾乃ちゃん。」
「なに?」
「もうちょっと、練習させてね。」
再び近付いてきた唇に、綾乃は目を閉じた。
「わっ…!」
グラスを置いたのを見た健人は、そのまま綾乃に抱きついた。勢いがあったのと、思っていたより力強かったのもあり、綾乃はそのままベッドに倒れこむ。タオルケットがずれて、綾乃の肌が露になった。綾乃の肌に触れる健人の手は、衣類があるときよりもずっと優しい。まるで薄いガラスに触れるかのような手つきだった。
「…私、そんな簡単に壊れちゃわないから大丈夫だよ。」
「え?」
「何も着てなくてもね、ちゃんと頑丈だよ。」
綾乃は一度大きく手を広げて、健人を強く抱きしめる。
「結構力だってあるし、ね?」
綾乃の背中に回った手が、少しずつ力を込めてくる。少しずつ体温が近付いて、健人の吐息が綾乃の耳元で聞こえた。
「…今日も、もうちょっと綾乃ちゃんといちゃいちゃしたいけど。」
「うん。」
「今日だけじゃなくて…。」
「うん。」
「時々でいいから、ずっとずっと構って。」
すりすりと綾乃の肩に額を寄せてねだる姿が可愛くて、綾乃は自分の頭の中でじたばたした。
(…破壊力!可愛すぎる!なにこれなにこれ!ずっと確かに可愛かったけど、可愛さに上限がない~!?)
健人の可愛さに悶えている綾乃の視界が、健人でいっぱいになった。触れては離れるキスに、また少しずつ体温が上がっていく。
「綾乃ちゃん。」
「な…に…?」
「ちょっとだけ、口開けて?いつもと違うキスも、いっぱい練習したい。」
「…さっきまで可愛かったのに…。」
「え?」
子犬のように可愛かった健人は、いつの間にかちゃんと『男の人』の顔になっていた。二人の間に、少し上がった息が落ちる。
「…いきなり可愛くなくなった。」
「…口開けるの、嫌?」
「じゃなくて、さっきまで可愛かったのにもうちゃんと男の人になってるのずるい~!」
「…元々男だけど、…そりゃ、男になっちゃうよ。だって綾乃ちゃんがずっと可愛いんだもん。」
少し口が開いていた隙をつかれて、健人の舌が綾乃の口の中に侵入した。
「ん…。」
吐息が漏れ、さっきとは少し違う甘さが広がる。探るように動く舌に翻弄されて、少しずつ視界がぼんやりする。綾乃が少し苦しいと思ったタイミングで唇がそっと離れる。
「苦しかった?ごめんね?」
綾乃の頭を優しく撫でながら、綾乃の呼吸が落ち着くのを待ってくれている。いつの間にか目が潤んでいることの気付いた綾乃は、瞬きを繰り返すことで涙をやり過ごした。
「目、うるうるで可愛い。…綾乃ちゃん。」
「なに?」
「もうちょっと、練習させてね。」
再び近付いてきた唇に、綾乃は目を閉じた。