異世界トリップして、猫獣人皇帝の赤ちゃんを身ごもり、新たな使命に生きることとなりました!
「僕はこの小さな村の医者だ。子供が無事に生まれてくるまで、ここで暮らしていたらいい」
心が落ち着いてくるような話し方。不安な気持ちが少し安らいだが、現実を受け止めなければいけないと気持ちを引き締める。
私は日本という国で生きている猫好きの二十二歳。普通の家庭で生まれ育ったカフェ定員の女の子、橋田星羅。
「……あの」
「頭を強く打ったのか。記憶喪失になっているのかもしれない」
「名前はわかるか?」
「はい。セイラ」
「よかった。あなたが書いた日記がある。じゃあこれを読んで思い出してごらん。申し訳ないが僕は読ませてもらったよ」
人の日記を読むなんて、プライバシーという言葉をこの人は知らないのか。
< 2 / 58 >

この作品をシェア

pagetop