異世界トリップして、猫獣人皇帝の赤ちゃんを身ごもり、新たな使命に生きることとなりました!
「お腹を大きくした黒髪の女性が事故に遭ったと情報が入ったんだ。もしかしたらセイラかもしれないといてもたってもいられなかった」
先ほどまで厳しかった表情が柔らかくなる。まるでマタタビを与えられた猫みたいだ。
ゆっくりと手を伸ばしてきて丸く膨らんだお腹に触れる。
「温かい」
「どうしても愛する人の子供を産みたくて、姿を隠したんです」
「セイラ、俺も愛している」
その言葉には嘘が感じられない。
でも、正妻以外が妊娠してしまったら殺されてしまう。私は自分のお腹をかばうようにして彼から離れた。
「私のことは殺してもいいので。どうかお腹の子供だけは助けてあげてください」
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