528ヘルツの大好き
絶望で倒れそうになった時、誰かがぐいと腕を掴んでくれた。そこに立っていたのは、朔間くんだった。
「大丈夫か? 倒れるかと思った」
「う、うん……」
倒れないように膝に力を入れた。でも朔間くんは掴んでいる腕を離さなかった。
「剛里、森さん具合い悪そうだから、保健室に連れていくけどいいだろ?」
突然の朔間くんの乱入に、剛里希星も気圧されてしまったようだ。ぷいっと取り巻きたちと離れていってしまった。
朔間くんも私の腕を掴んだまま、教室を出る。どうやら本当に保健室へ行こうとしているみたいだ。
「あの……私、大丈夫だから……」
「でもさっき真っ青な顔してたし、やっぱ保健室で少し休んだ方がいい」
「うん……」
正直なところ、授業に出る気分ではなかった。だから朔間くんに言われるまま、保健室へ行った。
保健室には誰もいなかった。ドアの所に離席中の札がかかってたから、先生はすぐ戻ってくるとは思うけど。
それまでベッドで休ませてもらう事にした。
私がベッドに腰掛けると、朔間くんはその前に立つ。
「大丈夫か?」
心配してくれた朔間くんの言葉に、私は頷いて返した。
「……聞こえちゃったんだけど、朗読コンテストに出るのか?」
朔間くんにも聞こえちゃってたんだ。剛里希星の声、大きかったから。きっと教室中の人たちに聞こえちゃってただろうな。
「なんか……勝手に申し込まれちゃって……」
膝の上に置いていた両手をギュッと握りしめてうつむく。
「大丈夫か? 倒れるかと思った」
「う、うん……」
倒れないように膝に力を入れた。でも朔間くんは掴んでいる腕を離さなかった。
「剛里、森さん具合い悪そうだから、保健室に連れていくけどいいだろ?」
突然の朔間くんの乱入に、剛里希星も気圧されてしまったようだ。ぷいっと取り巻きたちと離れていってしまった。
朔間くんも私の腕を掴んだまま、教室を出る。どうやら本当に保健室へ行こうとしているみたいだ。
「あの……私、大丈夫だから……」
「でもさっき真っ青な顔してたし、やっぱ保健室で少し休んだ方がいい」
「うん……」
正直なところ、授業に出る気分ではなかった。だから朔間くんに言われるまま、保健室へ行った。
保健室には誰もいなかった。ドアの所に離席中の札がかかってたから、先生はすぐ戻ってくるとは思うけど。
それまでベッドで休ませてもらう事にした。
私がベッドに腰掛けると、朔間くんはその前に立つ。
「大丈夫か?」
心配してくれた朔間くんの言葉に、私は頷いて返した。
「……聞こえちゃったんだけど、朗読コンテストに出るのか?」
朔間くんにも聞こえちゃってたんだ。剛里希星の声、大きかったから。きっと教室中の人たちに聞こえちゃってただろうな。
「なんか……勝手に申し込まれちゃって……」
膝の上に置いていた両手をギュッと握りしめてうつむく。