本当は誰よりも可愛い君。~君の全てを守りたいから
 舞台の上でやるパフォーマンスは、魔法使い執事とお姫様が可愛い系の音楽に合わせて踊ったり、動きでお芝居をする内容。陽大くんが考えてくれた。

 しかも本番で流す曲も作って編集してくれた。ふんわりしている感じのオルゴールの音。シャンシャンシャンって音も入っていて、クリスマスをイメージした曲。ふんわり感は、私をイメージしてくれたみたい。

 私に対してこんな風なイメージを持ってくれているんだなって考えると、嬉しい。

 陽大くん、実はなんでも出来ちゃうんだな。
 イケメンだし……すごい!!

 安心してついていけるなって思った。

 最初はダンスも苦手だから嫌だなって思っていたけれど、振り付けが難しくなくて可愛くて。練習して覚えていくうちに楽しくなってきた。

「歌ったりセリフも言おう」って提案もされたけれど「大勢の前で歌うのもセリフを言うのも難易度高すぎるから嫌だ」って、はっきりと断った。

 初めてこんなにはっきりと断れたかも――。
 相手が陽大くんだからかな?
 こんな私も受け入れてくれそうだなって。

 陽大くんは微笑みながら「分かったよ」って言ってくれて、私の頭をぽんぽんしてきた。触れられてちょっとドキッとした。

――陽大くんのおかげで私、ちょっとずつだけど前に進めている気がする。



 だけどそんな中、私にとってすごく不安な出来事が起きた。

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