本当は誰よりも可愛い君。~君の全てを守りたいから
1*変身コンテスト
「体育のバレー、白雪さんがいたからうちのチームビリだったんだよー」
「あー、なんか分かる気がする。白雪って、なにかと周りの足をひっぱりそうだし……」
「そうそう、こないだもね……」
帰ろうとした時だった。
学園の玄関で、学年一モテて美少女な花田さんと学年一のイケメンでモデルもやっている桐生くんが靴を履きながら私のことを話していた。
――あぁ、また悪口言われてる、嫌だな。
早く外に出ないかな?って思いながらこっそりドアの前でふたりの背中を見ていた。
すると私の気配を感じたのか、桐生くんが振り向いた。
桐生くんと私の目が合う。
「あ、ごめんなさい」
私の口から自然に謝る言葉が出てくる。いつもこんな感じだ。花田さんとも目があった。話を聞かれたからなのか、ちょっと気まずそうな顔をしている。
それからふたりは何事もなかったような表情になって、私に「バイバイ」って言ってきて。私も「バイバイ」って、泣きそうで震える心をおさえながら返事をした。
今日の体育の時間はバレーをした。私はチームのみんなに迷惑ばかりかけた。相手チームから来たボールが何回も上手く拾えなかった。それにサーブもネットの向こう側にいかないし。運動が苦手。私は声も小さいし、何をするのにも遅いし。何をやってもダメで……。
――私には、何ひとついいところなんてない。
うつむきながら、大きなため息がこぼれた。
「あー、なんか分かる気がする。白雪って、なにかと周りの足をひっぱりそうだし……」
「そうそう、こないだもね……」
帰ろうとした時だった。
学園の玄関で、学年一モテて美少女な花田さんと学年一のイケメンでモデルもやっている桐生くんが靴を履きながら私のことを話していた。
――あぁ、また悪口言われてる、嫌だな。
早く外に出ないかな?って思いながらこっそりドアの前でふたりの背中を見ていた。
すると私の気配を感じたのか、桐生くんが振り向いた。
桐生くんと私の目が合う。
「あ、ごめんなさい」
私の口から自然に謝る言葉が出てくる。いつもこんな感じだ。花田さんとも目があった。話を聞かれたからなのか、ちょっと気まずそうな顔をしている。
それからふたりは何事もなかったような表情になって、私に「バイバイ」って言ってきて。私も「バイバイ」って、泣きそうで震える心をおさえながら返事をした。
今日の体育の時間はバレーをした。私はチームのみんなに迷惑ばかりかけた。相手チームから来たボールが何回も上手く拾えなかった。それにサーブもネットの向こう側にいかないし。運動が苦手。私は声も小さいし、何をするのにも遅いし。何をやってもダメで……。
――私には、何ひとついいところなんてない。
うつむきながら、大きなため息がこぼれた。