本当は誰よりも可愛い君。～君の全てを守りたいから

　曲のイントロが流れている間に、魔法使いの白執事がお姫様のために魔法を使って、雪の結晶をイメージした薄い水色の花の髪飾りを出す。

　ちなみに陽大くんの衣装の袖に髪飾りを隠していて、それを出すって仕掛け。

　そしてAメロが流れるのと同時に、気持ちが落ち込んだダンスとお芝居をしながら出てくるお姫様。

　予想通り、私が出た瞬間にどよめきの声が聞こえてきた。多分、花田さんの衣装と似すぎなことをコソコソ言われているんだと思う。

　気になるけれど、お芝居とダンスを続けた。

　お姫様の様子をずっと気にしながら、お姫様から離れた場所で魔法使いの白執事はダンスとお芝居をして。

　サビの前、お姫様の近くに魔法使いの白執事がくる。そしてお姫様の髪に魔法使いの白執事が髪飾りをつけて「似合うよ」「ありがとう」って声を出さないで表情と動きで会話をする予定だった。

　それなのに……。

　予定よりも早いタイミングで陽大くんが近くにきて「ちょっといい？」って予定にない言葉を耳元でささやいてきた。