本当は誰よりも可愛い君。~君の全てを守りたいから

8*結果発表

 パフォーマンスの発表が無事に終わった。

 上手く出来るかな?ってドキドキもしたけれど、すごく楽しかった。

 審査をする生徒たちに用紙が配られて、集計結果が出たら参加者は再びステージの上に立つ予定。私たちはステージの袖で待機して、結果が出るまで待っていた。

 他の華やかな参加者たちは場慣れしている雰囲気で、いつも通りに余裕そうに話をしている。

「あぁ、またステージに立つのか。ドキドキしちゃう」

 私には全く余裕がない。

 舞台が終わるとぷっつんと糸が切れたように現実世界に心が戻ってきて。
 結果もどうなるのか気になるし。

「大丈夫! もうパフォーマンスは終わったんだから」
「そうだよね……っていうか、ドレスのサプライズびっくりした」

「短いドレスって決めた時に優乃ちゃん、ちょっと嫌な顔してたから。本番前も短いのが嫌そうだったら長いドレスを提案してみようかな?って。そのために考えていたことだったんだけど……まさか花田さんきっかけで舞台の上で変身することを思いついて、あの技を使うことになるなんて。変身した瞬間、みんなの反応良かったね!」

「反応良かったのは嬉しかったけど、そのこと教えてくれてたら良かったのに」
「教えなくてごめんね! だって、本当に驚かせた方がリアルな反応になるかなって思って」

 確かに短いドレスって決まった時は、嫌な顔していたかも。だって、絶対に似合わないって思っていたから。そんなことまで気にしてくれていたんだ……。

「いつドレス長くも出来るように縫ったりしたの?」
「みんな帰った後にやってた」
「こうやって細工してくれたおかげで花田さんと衣装被らなくなって……私のために、ありがとう」

 そこまで考えられる陽大くんって本当にすごいなって思った。

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