本当は誰よりも可愛い君。~君の全てを守りたいから
「それでは、結果発表を始めるので参加者は全員、舞台の上に来てください」

 司会者の男子の声が聞こえた。

「行こうか」
「うん」

 深呼吸を沢山して、気持ちを落ち着かせた。

 舞台を見ている生徒たちから見て、右側の舞台袖からエントリーした順に出ていく。
 私と陽大くんは最後に出ていき端に並んだ。

「まずは、11位から20位まで一気に発表します」

 エントリーしたばかりの頃は、絶対にこの中にいるんだろうなって決めつけていたけれど、今は「いませんように」って願っている。

 20位から順番に発表されていく……。
 私たちの名前は出てこなかった。

「いなかったね」

 横で陽大くんがぼそっと呟いた。

「それでは第10位!」

 ありませんように。
 まだ私たちの名前が出てきませんように――。

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