本当は誰よりも可愛い君。~君の全てを守りたいから
 生徒会長の春川さんと私たちは向かい合った。

「おめでとうございます。私ね、すごく綺麗になって変わった白雪さんを見て、すごく感動しちゃった。七瀬くんも、参加申込書に書いた通りに白雪さんを変身させていて……すごくよかった」

 春川さんが目を潤ませながら言った。
 泣かないように我慢していたのに、春川さんの表情を見ていたら自分の目も潤んできた。

「第1位、おめでとうございます!」

 体育館全体に聞こえる大きな声で春川さんは言った。

 賞状とコンテストオリジナルのメダルを私と陽大くんの首にかけてくれた。メダルは金色で、うちの学園の校章である六角形の雪の結晶の模様が描かれている。白いキラキラも所々に入っていて『第20回 夢が丘六花学園 変身コンテスト』という文字も書いてある。

 今着ているドレスにピッタリなメダルだった。
 ピッタリになるように考えてくれたのかな? 陽大くんならありえる。

 優勝の余韻にひたっていると、観客席から「白雪さん、おめでとう!」って声が聞こえてきた。手芸部の亜美ちゃんの声だった。

 それに続いて「白雪さん、めちゃくちゃ綺麗だよ!」「優勝するって思ってた」。

 次々に一切想像していなかった声が聞こえてきた。同じクラスの人や、話したことがない人の声も……。



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