本当は誰よりも可愛い君。~君の全てを守りたいから

9*イルミネーション

 優勝して、綺麗なイルミネーションが見れる会場の貸切チケットももらえた。

 今、私と陽大くんは一緒にイルミネーションを見ていた。こういう場所に来たのは初めて。想像以上に広い場所で、想像以上の光が輝いていて驚いた。カラフルな光がキラキラしていて、すごく綺麗――。

 この会場では別のクリスマスソングがかかっていたけれど、陽大くんが舞台用に考えてくれた曲も似合うなって思って、ちょっとだけ口ずさんだ。

 陽大くんと学園以外で会うのは手芸部のみんなで買い物に行く時ぐらいで。だからこういう場所にふたりきりで来たことはない。デートみたいで、実はドキドキしていた。

「この場所、舞台で着たドレス似合いそう。着てこればよかったかな?」

 今日はいつも通りの服装で来た。白いニットにデニムパンツ。それと紺色のダッフルコート。髪の毛はめずらしく結ばないでおろしてみた。

「似合いそう! でもここであのドレスは寒そうだよね? 優乃ちゃん風邪引いちゃうかも……ドレスの上に着る暖かいの何か準備して、またくる?」
「いいね!」

 もう一回陽大くんとここに来れるかもしれないって考えただけでうれしい。その時は陽大くん、魔法使いの白執事姿で来てくれるかな? でも陽大くんのその姿、かっこよすぎて目立っちゃうから、お客さんが少ない日がいいな。



 次々とイルミネーションを見て回った。
 白い光を沢山並べて作ったトナカイとかもあって、すごく可愛かった。

 どんどん進んでいき、ふたりでピンク色のイルミネーショントンネルをくぐった。

「私ね、実はコンテスト以外のことでも悪口言われてたの」

 今までは隠していたかったけれど、陽大くんに言ってもいいかな?って気持ちになってきていて、今伝えることにした。

「……うん、知ってた。コンテスト参加申込書を僕が優乃ちゃんに渡した日だよね? 学園の玄関で……」
「聞いてたんだ――」

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