Snow Kiss 【LOVE♡ドロップス企画参加作品】
亮がこれ以上何も言えなくなる事をわかってて、そんな事を口にした。
俺はあざとい。
今の自分を誰にもわかってもらおうなんて思わない。
卑怯で弱い俺を誰にも知られたくない。
「秀!!」
奈々の愛しい声が俺を呼ぶ。
奈々専用の笑顔を用意した。
「どうしたの?」
「秀、華恋ちゃんと付き合ってるの?」
奈々の声でまわりの視線が俺たちに集中した。
「奈々、教室出ようか?」
奈々を連れて、廊下に出ると奈々の手の平が俺の袖を掴んだ。
「ねぇ、秀。
本当なの?」
「なんでそんな顔してるの?
俺が誰かと付き合うの寂しい?」
『寂しい』って言えよ。
『嫌』だって泣きついてこいよ。
そうしたら、抱きしめて絶対に放してやらないから。