Snow Kiss 【LOVE♡ドロップス企画参加作品】
「……奈々、時間ある?」
「ん?
……うん。」
「公園行かない?」
「うん、行くー。」
奈々とまだ放れたくなくて、話していたくて、コンビニを出て引き止めた。
小さい時はよく来てた公園。
冷たい空気に触れた鉄の遊具には誰もいない。
ブランコ・ジャングルジム・鉄棒・シーソー・砂場……
寂しい公園に俺と奈々の2人きり。
「秀、ブランコ乗ろうっ!」
俺の返事も聞かずにブランコに向かって奈々が走り出した。
「ブランコ久しぶりに乗った!
小さーい!!
秀よくここから飛んでたよね?
こわくなかった?」
子供みたいに立ちこぎをして、はしゃぐ。
「……落ちんなよ?」
隣のブランコに俺が腰を降ろすと、奈々もこぐのを止めて地に足をつけて座った。
「ねぇ、秀……?」
「……ん?」
「華恋ちゃんとデート……楽しかった?」
「うん……楽しかったよ?」
奈々の表情が少しだけ寂しそうに見えた。
今日の奈々はいつもと違う。
笑顔の中に時折寂しそうな表情を加えて……
まるで、無理やり笑ってるような
そんな気がした。