Snow Kiss 【LOVE♡ドロップス企画参加作品】
そんな思いを抱えて小さく震える奈々を優しく抱きしめた。
「……なんでそんな事言うの?
勘違いじゃないもん。
何で誤魔化すの?
好きじゃないならちゃんと振ってよ……。
優しくしてほしくない……。」
俺の身体を離して言葉を言い捨て奈々は走って公園から出ていった。
追いかけたくても物分りのいい頭はそれを許さない。
心もそれを望まない。
痛くて苦しい。
どうすればよかった?
抱きしめて、キスをして、愛の言葉を囁いたって奈々の心が勘違いに気づいたら俺を否定するんだ。
俺はそんなの……耐えられないよ。
臆病者で自信のない俺はただ奈々を見つめる事しかなかった。