Snow Kiss 【LOVE♡ドロップス企画参加作品】
Kiss4
今年のバレンタインは土曜日。
休みに会えない分、女子生徒は前日にチョコレートを持ってきていた。
下駄箱、机の上、直接……
教室に入るまでに両手がついで感の詰まった義理で埋まる。
「秀、おはよ。」
「亮……お前すげーわ……。」
確実に俺の倍以上あるチョコの数。
色とりどりのラッピングはどれを見ても綺麗で、亮を想う相手の気持ちが伝わってくる。
「秀が彼女つくるから、流れてきたんだろ……?」
「あぁー……。」
「それより奈々からもらった?」
「お前、それ聞くの?
もう二度ともらえねーよ。
ほっとけ、ばーか。」
「ほっとかねーよ。
俺だって、1番欲しいヤツからもらえねーだろ?
……俺ら一緒だな。
どんだけ仲良しだよ?」
お互いうまくいかない恋に笑うしかなかった。
悲しいわけじゃない、
呆れて笑う。
そんな感じだった。