Snow Kiss 【LOVE♡ドロップス企画参加作品】
華恋を優しく抱きしめ、華恋の唇を見つめ親指で下唇に触れ顔を近づける。
「……秀く」
華恋の言葉を遮るように唇を重ねようとした瞬間……。
『友達がね、秀と華恋ちゃんのキスシーン見ちゃったって……。』
奈々の寂しそうな声が脳裏で再生され俺を止めた。
「……ごめん。」
華恋が呆れたようにため息混じりに笑う。
「秀くん、チョコレート受け取ってくれる?」
そう言って鞄の中から片手サイズにラッピングされたチョコレートを出した。
「どっちがいい?
選んで。」
「……えっ?」
両手にひとつづつ持って真剣な顔を隠すように時折笑顔になって見せる。
「本命と義理。
どっちがいいか
秀くんが選んで。」