Snow Kiss 【LOVE♡ドロップス企画参加作品】
どうしようもないこの心とすっきりした気分で一緒に家に帰る。
曲がり角を曲がり家の鍵を出して視線を家に向けると息を吐いて手を暖める奈々が座ってるのが見えた。
「……奈々?」
「秀……。
これ渡したかっただけ。
……はいっ。」
毎年奈々からもらう義理チョコ。
奈々らしい少し不器用なラッピング。
「……ありがとう。」
「うんっ……じゃーね、また月曜日。」
「……うん。」
思考回路がついていかなくて、帰る奈々を引き止める足も手も動かなかった。
なんで待ってんだよ?
いつからいた?
こんなの(義理チョコ)明日でいいだろ?
家に入りラッピングを開ける。
手作りで不器用なハートの上に
『好き』
の文字。
ムカつく。
どこまでもズルイ女……。
チョコを持って家を飛び出し、奈々の家へ向かった。