Snow Kiss 【LOVE♡ドロップス企画参加作品】
公園に着くとベンチに華恋が座ってるのが見えた。
手に持った包みを見つめ、華恋の瞳から涙が1粒落ちる。
「……華恋?」
驚いた様子で俺を確認するとすぐに顔を俯かせた。
人差し指と薬指の先で涙を拭いて、泣いているのを隠す。
何で泣いてるのかも、なんで秀が帰ったのかも聞きたいのに今の華恋には聞けなかった。
俺は華恋の隣に座り、手に持った包みを見つめた。
「……秀に渡さなかったの?」
「渡したよ。」
「そっか……。」
華恋を想うと何も言葉が出てこなくて、隣にいるだけで精一杯だった。
「……亮くんは?
どうしてここにいるの?」
「あー……散歩。」
「散歩?
……あー、わかった。
誰かと待ち合わせしてるんでしょー?
気使わなくてもいいのに。」
華恋の小さい笑い声が聞こえてきて、張り詰めた空気が変わり少し心が軽くなった気がした。
チャンスは今しかない。