Snow Kiss 【LOVE♡ドロップス企画参加作品】
Kiss1
「もしもし、奈々?
お前早く出てこいよ。
外、さみーだろ?」
『……あっ…秀、おはよう。
ねぇ今何時……?』
「8時5分」
『……ヤッバー!!
無理!!
間に合わない!
先行って!』
「はぁ?
お前また遅刻かよ?」
『だって、まだメイクも髪もやってないもん。』
「……いいよ、待ってるから、早く用意して。」
『……うん。
風邪ひいちゃうから家入ってきて。』
「はいはい。」
引っ越してきた時から、奈々は母親と2人暮らし。
小学生の時、奈々が家の鍵をなくして以来、奈々の母親から手越家の合鍵を預かった。
合鍵で扉を開け、中に入ると、寝起きの奈々が俺に煎れてくれた紅茶が用意されていた。