Snow Kiss 【LOVE♡ドロップス企画参加作品】
放課後、俺は奈々の部活が終わるまで教室で本を読んで待つ事が多い。
今日の日差しは気持ちよくて、本を枕にして俺は寝ていた。
『私、秀の事好きだよ?
亮くんじゃない…ずっと秀の事が好きだった……。』
奈々の火照った顔が恥じらいを隠すように俯き視線をそらす。
なんて都合のいい夢……。
「……奈々…。」
頬に手を当て、俺はそっと唇を重ねた。
「………んっ…ぃやっ…」
嫌がっても辞めてやらない。
何年越しの想いだと思ってる?
奈々の気持ちが俺にあるなら、もぅ遠慮なんてしないよ。
夢なんだからこれぐらい許せよ……?
「……小山…くん……」
舌を絡めた唇を放し、現実だと思い知らされる。
睨みつけるように相手の瞳に視線を向けた。
奈々は俺を『小山くん』なんて呼ばない。