王は断罪し、彼女は冤罪に嗤う
許されることではない。
しかし王族は存在からして絶対であり、つまりはエフレムは当時でさえ国王に次ぐ絶対的な立場だった。調査が行われることすらもなく、クリスティーナの家族でさえ反抗する者はなかった。
ライサは当然求婚を受け、王太子妃となり、教育を受けた。
それは、彼女にとって大変厳しい道のりだった。
貴族の端くれでしかなかったものだから、上位貴族の令嬢であればすでに身につけていて当然の教養もマナーも、何もかもが足りない。
あるのはエフレムを慕う想いと、妃として立ちたいという野心。加えて、一人の命を奪ったことによる罪悪感とそれに伴う責任感だろうか。それも幼い頃から将来を定められて妃教育を受けていたクリスティーナと比較されるばかりの日々に、いつしか掻き消えていってしまったが。
王太子妃として精一杯努めてきた。エフレムが次々と愛人を作り、子を産ませ、側妃に召し上げても、他の女が産んだ子を後継に指名しても。
正妃は自分なのだからと、彼が一番に愛してくれているのは自分なのだと言い聞かせ、裏切られるたびに心を抉られ諦めながら、それでも国王となった彼の隣に立ち続け、誰に見くびられることもないよう毅然と振舞ってきたつもりだった。
しかし王族は存在からして絶対であり、つまりはエフレムは当時でさえ国王に次ぐ絶対的な立場だった。調査が行われることすらもなく、クリスティーナの家族でさえ反抗する者はなかった。
ライサは当然求婚を受け、王太子妃となり、教育を受けた。
それは、彼女にとって大変厳しい道のりだった。
貴族の端くれでしかなかったものだから、上位貴族の令嬢であればすでに身につけていて当然の教養もマナーも、何もかもが足りない。
あるのはエフレムを慕う想いと、妃として立ちたいという野心。加えて、一人の命を奪ったことによる罪悪感とそれに伴う責任感だろうか。それも幼い頃から将来を定められて妃教育を受けていたクリスティーナと比較されるばかりの日々に、いつしか掻き消えていってしまったが。
王太子妃として精一杯努めてきた。エフレムが次々と愛人を作り、子を産ませ、側妃に召し上げても、他の女が産んだ子を後継に指名しても。
正妃は自分なのだからと、彼が一番に愛してくれているのは自分なのだと言い聞かせ、裏切られるたびに心を抉られ諦めながら、それでも国王となった彼の隣に立ち続け、誰に見くびられることもないよう毅然と振舞ってきたつもりだった。