王は断罪し、彼女は冤罪に嗤う
ともに生きる日々から次第に彼への期待は失われはしたが、このようなことを仕掛けてくるとは。
あの日公衆の面前で冤罪を責め立てられたクリスティーナに思い馳せる。まったく同じ状況ではないか。都合の悪くなった相手を、捏造した罪を押し付けて目の前から排除する。
……ああ、あなたにはもうわたくしはいらないのね。
ライサは、年齢を重ねてなお若々しい伴侶を、伴侶だった相手を見つめる。
白銀の髪は艶やかでいて、赤紫の瞳は彼の傲慢さをも魅惑的に見せる。かつては庇護欲をそそると噂されたライサの容姿は、王宮という魔窟で心身をすり減らし、今や年齢相応を維持することで精一杯だというのに。
「悪女めが!」
神のように崇められ人生を謳歌してきた彼の分まで、彼女が負担を被ってきたことを、きっと理解してはいないし、するつもりもないのだろう。
国王なのだから、唯一神であるのだからと、軽んじられてきたライサでさえ考えていたのだ、他の誰が疑問など持つものか。
「しかし王妃として貢献してきた事実は少なからずある。命までは奪うつもりはない、王妃の地位を剥奪し幽閉とする。余の寛大さに感謝するんだな」
座っていた王妃の座はもとから持っていたものではない。それでもこうも簡単に奪われるとは、彼にとってライサの何年もの献身はその程度のものでしかなかったのだ。
あの日公衆の面前で冤罪を責め立てられたクリスティーナに思い馳せる。まったく同じ状況ではないか。都合の悪くなった相手を、捏造した罪を押し付けて目の前から排除する。
……ああ、あなたにはもうわたくしはいらないのね。
ライサは、年齢を重ねてなお若々しい伴侶を、伴侶だった相手を見つめる。
白銀の髪は艶やかでいて、赤紫の瞳は彼の傲慢さをも魅惑的に見せる。かつては庇護欲をそそると噂されたライサの容姿は、王宮という魔窟で心身をすり減らし、今や年齢相応を維持することで精一杯だというのに。
「悪女めが!」
神のように崇められ人生を謳歌してきた彼の分まで、彼女が負担を被ってきたことを、きっと理解してはいないし、するつもりもないのだろう。
国王なのだから、唯一神であるのだからと、軽んじられてきたライサでさえ考えていたのだ、他の誰が疑問など持つものか。
「しかし王妃として貢献してきた事実は少なからずある。命までは奪うつもりはない、王妃の地位を剥奪し幽閉とする。余の寛大さに感謝するんだな」
座っていた王妃の座はもとから持っていたものではない。それでもこうも簡単に奪われるとは、彼にとってライサの何年もの献身はその程度のものでしかなかったのだ。