義理の妹に計画的にハメられたけれど、大好きな幼馴染だけは渡しません!
嫌な予感がして花子を見つめる。
すると花子は泣いて赤くなった目で絵美を見つめた。

「これ」
泣いて鼻声になった花子がポケットから取り出したのはビーズでできたブレスレッドだ。

ピンク色のと緑色のと、青色がある。
「お父さんとお父さん、それに絵美にプレゼントするんだって作ってたんだ」

健太の言葉に花子はまた大きく頷いた。
これを、私達のために……?

小さな手に乗ったビーズのアクセサリーに絵美は絶句し、大きく目を見開いた。
本当だろうか。
本当にこのためだけに帰りが遅くなったの?

「材料が足りなくなったから買ってきてたんだ」
健太はそう言うと買い物袋をかかげてみせた。
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