義理の妹に計画的にハメられたけれど、大好きな幼馴染だけは渡しません!
「それなのにそんな言い方はないだろう。花子ちゃんに謝れよ」
「そ、そんな……」

絵美はあとずさりをしてふたりを交互に見つめた。
どうして私が謝らないといけないの。
悪いのは心配かけた花子でしょ?

そう思うけれど、
健太は絵美を睨みつけているし、花子はまた泣き出してしまいそうな顔をしている。

これじゃまるで自分が悪者だ。
絵美はゴクリと唾を飲み込んで「ごめんなさい」と、呟く。

その声はかすれてほとんど出てこなかった。
でもその瞬間に花子が下を向いてニヤリと笑ったのだった。
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