義理の妹に計画的にハメられたけれど、大好きな幼馴染だけは渡しません!
ここはとりあえず素直に万年筆を受け取って、花子の目に触れない場所に隠しておいたほうがよさそうだ。
そう思うものの、なかなか手を伸ばすことができなかった。

不安が胸の中に大きく膨らんでいく。
「どうしたんだい?」

お父さんに首をかしげて聞かれて、
「ううん、なんでもない」
そう答えて絵美はようやく万年筆に手を伸ばしたのだった。

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