義理の妹に計画的にハメられたけれど、大好きな幼馴染だけは渡しません!
☆☆☆

とにかく花子の目の届かないところへ。
そう考えた絵美はクローゼットの奥の段ボール箱の中に万年筆を隠した。

ここにはあまり読まなくなった本が入れられていて普段触ることもない。
さすがの花子も人のクローゼットの中まで勝手に見ることはないだろう。

そう思っていたのだけれど……。

「ない!!」
万年筆を隠して3日後のことだった。

万年筆が無事かどうか確認するためにダンボールを開けた絵美は真っ青になっていた。
どこを探しても万年筆が見つからないのだ。

たしかにこの箱に入れたはずなのに!
「どうしたの絵美?」

絵美の声を聞いて一階にいたお母さんがやってきた。
その顔は驚いた表情をしている。

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