義理の妹に計画的にハメられたけれど、大好きな幼馴染だけは渡しません!
☆☆☆

「いい加減にして!」
絵美は怒鳴りながら花子の腕を掴んで引き止めた。

「痛いっ! 離してよお姉ちゃん!」
「あんたが逃げるからでしょう! 私の万年筆を返して!」

「なんのことを言ってるのかわからないよ」
「嘘つき!」

強引に花子を振り向かせた、そのときだった。
花子が持っていたものがブチンッと音を立てて引きちぎれ、そしてオレンジ色のビーズが地面に散らばったのだ。

なにがおこったのかわからず、絵美は呆然として転がるビーズを見つめる。
そのとき不意に花子が泣き出した。

「ひどいよお姉ちゃん! 一生懸命作ったのに!」
「で、でも万年筆を持ってたんじゃ?」
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